BTS(防弾少年団)が独走、Wanna Oneが追随!? 韓国芸能界に「AI活用」の荒波が到来中 – めるも

昨今、K-POPや韓流カルチャーにテクノロジーが取り入れられることが増え始めている。そのバリエーションは実にさまざまなのだが、そのうちのひとつに「ビッグデータ分析」がある。ご存じの方もすでに多かろうが、ビッグデータとは「人間の頭では処理できないほどの膨大なデータ」と、ざっくり解釈してもらえればわかりやすいかもしれない。現在、人工知能や各種プログラムを使ってビッグデータを解析し、社会現象などをひも解こうとする動きが世界各国で流行しているが、韓国ではアイドルや芸能人、モデルらの「ブランド力」を分析する上で、それらテクノロジーが重宝され始めているのだ。たとえば、韓国企業評判研究所は、数カ月おきに韓流スターのブランド力をビッグデータから分析しレポートを発表している。それらの結果を見ると、男性アイドルグループとしてはここ数カ月、防弾少年団が独走。Wanna Oneが追随する形となっている。女性グループとしては、BLACKPINK、Red Velvet、TWICEなどのブランド力が高いと評価されている。また「Asia Artist Awards」(略称:AAA)と呼ばれる、アジアドラマおよびK-POP統合授賞式の審査にも、ビッグデータ解析の手法が用いられているという。こちらは、全世界の韓流ファンを対象にしたビッグデータを収集。その解析結果をもって、受賞候補および受賞対象者を選ぶという触れ込みである。ビッグデータを芸能の世界に応用すると何が起こるか。まず、まっさきに考えられるのは、「公平性の向上」だろう。日本や世界各国でも同じ傾向があると思われるが、芸能の世界は非常に“恣意的”な世界である。つまり、芸能界において覇権を持っている大手芸能事務所が推すタレントが、いかなる理由でか「人気がある」という既成事実がまずつくられてしまうことが、往々にしてあるのだ。もちろん、大手事務所のなかにも才能を持ったタレントがいるのも事実。ただ、そうではない“ゴリ押し”を排除するのに、ビッグデータ解析は非常に有用なツールになると思われる。言い換えれば、タレントパワーを「可視化」してくれる力があるのだ。これは、スポンサーとなる企業にとっても、非常に重要な指標になるだろう。広告のオファーなどを出す際にも、役員のお気に入りだとか、あるいは事務所側や代理店側との個人的な縁故などといった、恣意性を排除する根拠となり得るわけである。もともと、ビッグデータや人工知能を使った解析は、人々の恣意性を排除するものとして、ビジネスや政治、司法の世界でも応用が期待されている。その効果が、芸能の世界でも生きるというわけだ。AIから「よりよく評価される」能力の重要性 ビッグデータを使った解析がより一般的になれば、ファンにとってもメリットが大きい。なぜならば、タレントはより高い評価を受けるために、コンテンツの質や、SNSやメディアにおけるファンとのコミュニケーション量を高めなければならないからだ。つまり、タレントとファンの接点が増える。一方、ブランド力解析には言語解析(ポジティブな言葉やネガティブな言葉を分ける技術)を通じたスコア化も用いられているので、ファンが応援する言葉やコミュニティーの強さが、タレントの地位向上に直接反映されることにもなる。握手券や金銭だけでなく「好き」という純粋な気持ちが、タレントを育てることにつながるのだ。もちろん、評価する側(ここでは、韓国企業評判研究所やAAAの運営サイド)が、偏った方法でビッグデータを解析していたら、また新たな“恣意性”が生じることになるだろう。しかし、これまでの韓国芸能界の悪習に比べれば、それでもいくばくかはましなはずである。なお、ビッグデータ解析がタレント格付けの主流となってくれば、タレント側にとってみれば、ビッグデータや人工知能から“よりよく評価される”能力というのも、才能のひとつとなってくるかもしれない。これは、「機械を説得する力」とも呼ばれるものだが、芸能に限らずすべての職種で必要となる能力だとされている。テクノロジーが発展すれば「人々が仕事を失う」との話題もあるが、おそらく一部、コネやゴリ押しで成功している芸能人やタレントも職を失っていくはずである。逆に、テクノロジーの全体像を理解し、ファンと関係性をうまく築いたタレントほど成功する可能性が高まるはずである。芸能界の在り方が、テクノロジーによって劇的に変化するような時代の到来は、確かにまだまだ先かもしれない。けれども、韓国芸能界のトレンドを見ている限り、決して、そこまで遠い未来ではないような気もするのである。【文/河 鐘基(ロボティア編集部)】